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敬神崇祖とは

敬神」と「崇祖」、二つの熟語からなる言葉です。

神様を敬い、感謝の心を持ってお祈りすること、

祖先を尊敬し、真心を持ってお祀りすること、

「神道」の基本理念の一つです。

この「敬神崇祖」の書は、龍宮神社の信者さんからご依頼がありました。

「宮司さんの選んだ言葉を「書」にして欲しい」と言われ、色々悩んで書かせて頂きました。

好きな諺(ことわざ)や格言はいくつかありますが、書にするならこの言葉がいいと考えて書きました。

神道では、言葉に内包された霊力のことを「言霊(ことだま)」と言い、その言葉を唱えることで、特別な霊力が備わり、人の心に訴えかけたり、力強い影響力を持つとされます。

サッカーやラグビー、マラソンなどのスポーツでは、「大きな声援」や「温かい励ましの言葉」と聞くと、たとえギリギリの苦しい状態でも力が湧いてきますし、チーム全体に勢いがついたり、背中を「見えない手」で力強く押されるような感じを受けたりします。

私は、高校から35年以上空手を続けてきました。試合の時には緊張したり、とても怖い気持ちになることもありますが、後輩や子供達からの応援があると、実力以上の力が発揮できたりします!(今はもう試合にはでていませんけど)

また、「おはようございます」「こんにちは」と明るく挨拶されると、とても気持ち良く、清々しく感じます。

特に「ありがとう」と言われると、自然と笑顔になり、今日も頑張ろうという気持ちになります。

ありがとう」という言葉は、皆を幸せにする「魔法の言葉」だと思います。

逆に、「お前はノロマだな」とか「何をやってもダメだな」とか言われると、落ち込んだり、頑張る気持ちが萎えてしまいます。

これが続くと、本当に意欲がなくなったり、不眠うつ病にもなってしまいます。

このように「言葉」には「」に対して大きな影響力があるのです。

「大学合格!」「大会優勝!」など日々その「文字」を見つめることでも、決意が新たになり、頑張り続ける事ができます。

敬神崇祖」の書を毎日見つめて頂くことで、常に親孝行も意識する事ができますし、神様の恵みに感謝する気持ちを持ち続ける事ができるでしょう。

そして「ありがとう」という魔法の言葉を自然に言えるようになると思います。

敬神崇祖」という言葉の根底には、たとえ肉体は滅んでも、人の魂は永遠であり、葬儀の祭祀を行う事で子々孫々に繋がっていき、やがてその家の「守り神」として子孫を守ってくれるという、日本人古来の慣習や思想があります。

社宝:公爵 一条実孝公 「敬神」の書

日本の神様は八百万の神と言われ、

太陽の恵みをもたらしてくださる「天照大神

食べ物の恵みを与えてくださる、五穀豊穣の神様「豊受大神

海の恵みや航海安全のご加護のある「綿津見神(わたつみのかみ)」

縁結びや医療の神としてご利益のある「大国主神(おおくにぬしのかみ)」

などなど、多くの神様の恵みをいただいて、私たちは豊かに幸せに暮らす事ができています。

安定した生活ができ、美味しいものを食べられ、素敵な人とのご縁があるというのは当たり前ではなく、神様の恵みや祖先が守ってくださるお蔭による、とても貴重で感謝すべきものであるという事です。

ですから、常に「感謝」の気持ち、「ありがとう」と思う心を忘れないようにする事が大事であり、そうすることで私たちは自分だけではなく、周りの人たちをも幸せにできるのです。

崇祖」とは、祖先や親を大切にすること、そして感謝することです。

今までは気付かなくとも、私達をここまで無償の愛で育ててくれた親を敬い、大切にし、心から感謝をすべきと思います。

私の両親は二人とも、若くして亡くなりましたが、生前も亡くなった後も、私を強く優しく守ってくれてると感じています。そして、私が聞いただけでも、とても多くの人が、私の両親にお世話になったからね、と言って私を助けて下さいます。きっと私の知らないところでも、両親のしてきた善行が、巡り巡って私のところに帰ってきているのだと思います。

風吹けば 桶屋(おけや)が儲かる

これは、一見関係ないような事柄が、全く想像しない結果を生み出すという諺(ことわざ)です。

こうした事が100%起こるという事ではありません。しかし、世のため人のためと思ってした善行は、巡り巡って子孫の助けになるのです。

逆に言えば、私たちが悪行を行えば、自分自身だけではなく、自分の家族や子々孫々に、悪い影響を与え続けるという事です。

私は医師になるために勉強ばかりしていました。小さい頃から結婚式の稚児など、神社の手伝いはしてきましたが、神主の仕事はほとんど理解していませんでした。父が亡くなり、私は病院を退職し、龍宮神社を継いだ時には、何一つ神社のことをわかっておりませんでした。

神主の仕事、祭事の内容、どんな準備をしたら良いのかも、全くわかりませんでした。

例大祭の準備ために地域を回りましたが、思うようには進みませんでした。特に寄付集めはとても大変でした。

私が神社に戻った年は、バブルの弾けた年でした。景気は最悪で、地域の方々も辛く苦しい生活をしていました。そんな中、父や母にお世話になったんだよと言って、とても温かく優しく励ましてくださいました。

世のため人のために真心こめて行う善行は、多くの方々に感謝されるだけではなく、私たちが亡くなった後に自分たちの子孫に巡ってくるものなのです。

大切なのは「行動」であり「考え方」です。

常に、自分は多くの人や見えない力に支えられて生きているという謙虚さ、感謝の心を持って生きていく事が、自分のみならず、家族みんなの幸せや大きな成功につながる事だと思います。