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認知症を支える〜3

【 家族・介護者を支えるサポートのために 】

今回のお話は、家族が認知症かもしれないと感じたら、

1、介護申請を行う方法

2、介護認定後に受けられる、公的サービスのおおよその内容

3、認知症になったら、在宅で可能か、入院できるのか、施設入居がいいのか

以上を考えていきましょう

〜認知症かもしれないと思ったら〜

認知症になると、

少し前に言ったことを覚えていない。今までできたことができなくなる。同じことを繰り返す。何度も何度も家族に電話をする、失禁したものをタンスに隠す。ゴミ箱の中に放尿をするなどの異常行動がみられます。

また、幻覚や幻聴がでてくる、急に怒り出す、介護者や家族に対して拒否や抵抗をすることもあります。

しかし、これらの症状を「薬」で改善するのはなかなか難しいです。

専門の先生が、症状を確認してお薬を調整しながら投薬していきますが、ほとんど変わらなかったり、傾眠傾向が強くなって日中でも寝てばかりになったり、食事も取れなくなったりすることもあります。

特に、家族だけで対応するのは、本当に大変であり、疲弊してしまう場合もあります。

やはり、介護に慣れたヘルパーや介護スタッフなどによる、公的サービスを利用することが良いでしょう。

それにより、家族として優しく穏やかに接することができると思います。

《公的サービスの利用のために》

1、介護申請をしましょう

以前は、本人が役所に行き、介護認定の申請することが必要でしたが、現在は「地域包括支援センター」に電話することで、申請できます。

電話だけで完結することもありますが、老老介護などのケースでは、地域包括センターの人が訪問してくれます。

介護申請をすると、家にケアマネージャーや役所の調査員の人が来て、認定調査をします。(かかりつけ医がいると、スムーズです)

《小樽市の地域包括支援センター》

小樽市東南部地域包括支援センター:電話 0134-51-2301

小樽市中部地域包括支援センター:電話 0134-24-2525

小樽市北西部地域包括支援センター:電話 0134-28-2522

小樽市南部地域包括支援センター:電話 0134-61-7268

小樽市は上記の4箇所です。  各市町村にありますので、お調べください。

      〜1ヶ月程度すると、本人宛に介護保険証」が送付されてきます。

2、公的サービスのおおよその内容

◉要支援の場合:

地域包括支援センターに電話します。利用者の状況にあった「介護予防ケアプラン」を作成してサービスを利用します。

おおまかには、週1〜2回程度のデイサービス(通所介護)で食事・入浴・レクリエーションを受けたり、やデイケア(通所リハビリ)で理学療法士などのリハビリテーションが受けられます。

◉要介護の場合:

居宅介護支援事業所のケアマネージャーが、利用者の希望や状態に応じた「ケアプラン」を作成して、サービスを利用します。(施設に入所の場合は、その施設内で「ケアプラン」を立てます)

おおまかには、ホームヘルパーが家庭を訪問し、食事、入浴、排泄などの身体介護や、調理・掃除などの生活援助を行います。訪問看護や訪問リハビリの提供も受けられます。通院の介助なども行います。

介護度が高ければ、訪問介護と訪問看護を一体的に行う「定期巡回・随時対応型訪問看護」などの対応もあります。

〜介護サービス・介護予防サービスの利用者負担〜

ケアプランに基づいて居宅サービスを利用する場合、費用は原則1割負担です。

(一定以上の所得がある場合は2割負担です)

(一定以上の所得金額とは、本人の合計所得額が160万円以上で、年金収入+年金以外の合計所得額が単身世帯で280万円以上、2人以上世帯で346万円以上です)

〜居宅サービスの支給限度額〜 《小樽市》

主な居宅サービスの支給限度額

要支援1: 50,320円

要支援2:105,310円

要介護1:167,650円

要介護2:197,050円

要介護3:270,480円

要介護4:309,380円

要介護5:362,170円

利用者負担は、上記の金額の1割負担です(所得の高い人は2割です)

上記の支給限度額を超えてサービスを利用した場合は、超えた部分が全額利用者自己負担です

支給限度額と別枠のサービスとは

 1、福祉用具購入費:車椅子や介護ベッド、ポータブルトイレなど、自己負担1割(〜2割)

 2、住宅改修費:手すりを付けるなど、自己負担1割(〜2割)

 3、居宅療養管理指導

 4、特定施設入居者生活介護

上記の制度を利用する場合も、ケアマネージャーに相談してください

3、認知症になったら、在宅で可能か、入院できるのか、施設入居がいいのか

ご家族が認知症になった場合、在宅か? 入院か? 施設か?

と悩みます。

しかし、まず認知症の程度や家族構成によります。要支援なのか要介護なのか、要介護の1〜5どのレベルか、一人暮らしか、家族はいるが高齢者か働いているのか、経済的にはどうなのか、いろいろなケースがあるので一概には言えません。

 1、病院に入院

そもそも、病院に長期間の入院はできません。以前は長期療養型の病院がありましたが、現在はもう認められなくなったため、基本的には、透析などの医療行為が必要ない場合は

誤嚥性肺炎を起こしたり、脳梗塞を発症したり、大腿骨骨折など治療が必要な間は入院できますが、治療が終了した時点で出されてしまいます。また、入院していると「ADL」といった日常生活動作が急激に低下してしまいます。(すぐに寝たきりになってしまうこともあります)ですから、「入院すると安心」というご家族の気持ちはわかりますが、入院は最良の選択肢ではありません。(もちろん治療中は入院が必要です)

 2、在宅

在宅で看ることが国の推奨する方向ですし、本人やご家族にとって理想でしょう。ですが、現実的には困難な場合が多いと思います。認知症が軽度な間は在宅が可能であっても、徘徊(はいかい)や火の不始末などが出てくると、かなり難しいでしょう。また、介護によりご家族が疲弊してしまうと、ご本人にとってもご家族にとっても幸せな時間を過ごしているとは言えないでしょう。

長期的に考えると、在宅で見ることが困難になった場合は、施設への入居を考えることが必要だと思います。

 3、施設への入居

施設には色々あり、認知症の程度や周辺症状の状態、基礎疾患の有無、経済的要因などにより、どこが最適であるかは違いますので、ここではどこが1番良いという話はできません。しかし、多くの場合は、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)、グループホーム(GH)、特別養護老人ホーム(特養)、介護老人保健施設(老健)などへの入居が考えられると思います。

それぞれに、介護度によって受け入れ可能か、リハビリを重点的に行うのか、きめ細やかに対応できる施設か、入居費用はどうか、最後の看取りをするかなど、同系統の施設でも違いがありますので、ケアマネージャーとよく相談し、見学に行くことをお勧めします。

そうは言っても、何を基準にして良いか、わからない方も多いと思いますので、

私としては、

 1、きめ細やかな対応をしてくれる施設

   ◉入居者さんのお顔や服装などは清潔か、

   ◉口の周りに食べかすがついていないか、

   ◉目ヤニがついたままではないか、

   ◉レクリエーションの時にみんなが楽しそうか、

   ◉入居者さんに、「ダメだよ」「何度も言っているよ」と言っていないか、

      (認知症の方は同じ事を繰り返します、否定されると認知症は進みます)

 2、最後の看取り(施設でお亡くなりになること)をしてくれる施設か、

 3、介護スタッフの身なりは清潔感があり、笑顔で対応してくれる施設か(誰に対しても)、

 4、スタッフ同士は挨拶し合い、仲良さそうか(結局は人間性です)、

 5、往診が基本ですが、検査や治療が必要な時にスタッフが付き添ってくれる施設か、

   (職員は大変忙しいでしょうが、病院では病状や経過の説明できる人が必要です)

このような点を基準にして頂けたらと思います。

介護は本当に大変でしょうが、認知症となったご本人も辛い思いをされています。みなさんが頑張りすぎて疲れてしまうと、みんなが辛い思いをしてしまいます。公的サービスや施設入居、訪問サービスなどを利用することによって、認知症になっても、家族として穏やかに優しく接してあげて、みんなが幸せな時間を過ごせるようにしていきましょう。