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認知症を考える

家族や自分が認知症になったら

皆さんは認知症という言葉をご存知だと思いますが、認知症という病気を正しく理解していますか?

物忘れのひどい人、同じ話ばかりしている人、昼夜逆転している人・・・

そんなイメージではないでしょうか。

また、以前は何でもできたお父さん、いつも優しく接してくれたお母さんが、何もわからなくなり、私のことさえも忘れてしまった・・・

そんな、とても悲しいと思えることはないでしょうか

誰もがなりたくないと思う認知症について、皆さんと考えていきましょう。

《認知症とは

脳の器質的障害により「知能」が不可逆的に低下した状態。

知能・記憶見当識・認知障害・人格変化などを伴った症候群。

かつては痴呆と呼ばれていましたが、2004年に「認知症」に置き換えられました。

認知症の患者数と経済的損失

•日本では460万人(2012年時点)

•全世界で4,680万人の患者(2015年時点)

•世界中で毎年990万人ずつ増加

•世界の認知症患者は、2030年には7,470万人、2050年には1億3,150万人に達すると推定されます

•医療コストは全世界で毎年約98兆円、2030年には240兆円を超えると推定されます

《症   状

中核症状と周辺症状に分かれますが、中核症状が少なくとも一つあることが必須です

《中核症状》

記憶障害

見当識障害(時間・場所・人物の失見当)

認知機能障害(計算力低下・判断力低下、失語・失認・失行)

 《周辺症状》

幻覚妄想、徘徊、異食症睡眠障害抑うつ不安・焦燥、暴言・暴力、性的羞恥心の低下

•初期は、不安や気分の沈みといった精神症状が多い

•中等度では、幻覚や妄想などが発現する

分  類

血管性認知症: 患者さんの10-20% 

•変性性認知症

 –アルツハイマー型認知症:患者さんの40-60%

 –レビー小体型認知症:患者さんの15-20%

 –認知症を伴うパーキンソン病

 –前頭側頭型認知症

 –ハンチントン病

•感染によるもの

 –クロイツフェルト・ヤコブ病

 –HIV関連認知症・梅毒関連認知症

•治療可能なもの

 –慢性硬膜下血腫

 –正常圧水頭症

甲状腺機能低下症

危険因子

1 年 齢

高齢になるほど発症頻度は上がります

2 家族歴

片親が認知症の場合、発症する危険は10~30%上昇

特に、親の発症が50代前半なら、発症の危険は約20倍

3 遺伝因子

4 血圧降下剤による薬害(血圧低下による脳血流の減少)

5 動脈硬化をおこす危険因子

高血圧・糖尿病・喫煙・高コレステロール血症

6 受動喫煙

認知症リスクが30年で約3割増すと言われています

診  断

聖マリアンナ医科大学の長谷川和夫らが開発した「長谷川式認知症スケール」。認知症診断のための簡易スケールで、現在日本で最も広く使用されています

日常生活に支障が出る「記憶障害」「認知機能の低下」2つの中核症状で診断。周辺症状の有無は問いません。

「長谷川式認知症スケール」

9項目で最高得点は30点、20点以下は認知症の疑いありです

•軽   度:20点以下

•中 等 度:15点以下

•やや高 度:10点以下

•非常に高度:5点以下

日本の認知症に対する医療費

2014年日本の認知症患者数:約500万人

社会的費用は14.5兆円(国民医療費全体の3分の1)

2035年には22.9兆円に膨らむ見込みです

《治  療

認知療法

軽中程度の認知症患者に対しては、日中の散歩などで昼夜リズムを整える(光療法)、思い出の品や写真を手元に置き安心させる回想法テレビ回想法など

患者の不安感など精神状態の影響を受ける周辺症状は、介護者がそれらを取り除く事で発症を抑制することが可能となることもある(ユマニチュード)。

ユマニチュードとは、フランス語で「人間らしさ」を意味する言葉で、「人とは何か」「ケアをする人とは何か」という考え方が基本になっており、「見る」「話す」「触れる」「立つ」を「ケアの4つの柱」とした認知症ケアの技術であり、言葉や身振り、目線など、あらゆる感覚を活用したコミュニケーション法を軸としています。

薬物療法

アルツハイマー型認知症(AD)の認知機能改善薬には、

経口薬のドネペジルや、貼付剤リバスチグミンなどがあります

投薬しても最初の6か月間にて状態が安定、改善しない患者については、投与を続けても利益を得られる可能性は低いと考えられています

治療の目的と副作用

治療の目的は、病状悪化の遅延であり、症状が変わらないことが効果のある治療であることを理解してもらいます。

認知症薬の副作用として、食欲低下、傾眠傾向、興奮状態などがあります

認知症は高齢者だけの病気ではなく、若者にも発症することがあります。

若年型認知症とは

65歳未満で発症する認知症のことです

若年性認知症で心配されること

1 経済的な問題:仕事ができなくなるため収入がなくなる

2 家族や配偶者の就業問題:介護に付きっきりになるため就業が困難に

3 家族や配偶者の疲弊:介護疲れや、心身の病気になってしまう場合も

4 周囲の理解不足:若年性認知症という病気を知らない、理解できないなど

若年型認知症のチェックポイント

•同じことを何度も聞く

•伝言したことがうまく伝わらない

•電車、バスで乗る駅や降りる駅がわからない

•よく知っている道なのに迷ってしまう

•通帳、印鑑、財布などをよく失くし、家族が盗ったという

•いつも同じ服を着て着替えたがらない

•家電製品の使い方がわからない

•テレビや新聞を見なくなる、関心がなくなる

•風呂に入りたがらない

•好きだった趣昧の活動をしなくなる

•鍋を焦がす、ガスの火を消し忘れる、水道の水を出しっぱなしにする

•外出したがらない

若年性認知症のリスクの高い人

脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)になったことがある人

交通事故や転倒による頭部外傷を受けたことのある人

基礎疾患(高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満)がある人

外食が多かったり、食生活に偏りがある人

1回目の内容は、以上でした。

〜非常に難しい内容だったと思います〜

しかし、身内に認知症の方がいらっしゃる場合には、認知症の正確な知識を知っておく必要があると考え、今回の内容を書かせて頂きました。

今後は、皆さんに知って頂きたい内容を、出来るだけ分かりやすく説明していきたいと思いますので、よろしくお願い致します。